会長挨拶・設立趣旨

日本運動障害研究会(Japanese Society of Movement Disorder and Disability: JSMDD)は、主として、パーキンソン病などの錐体外路疾患、脊髄小脳変性症、脳脊髄の障害、末梢神経障害、筋疾患などをはじめとする運動障害を引き起こす様々な疾患(Disorder)の病因・病態の解明と、運動障害(Disability)の改善を総合的に目指すことを目的として、1991年1月に先賢の先生方により発足されました歴史ある全国組織の研究会です。

年に2回開催される研究会では、ビデオなどを用いた不随意運動を含めた症例報告をはじめ、運動障害に関わる基礎研究から臨床研究に至る幅広いテーマで、運動生理学、脳神経生理学、神経学、運動器学、整形外科学、リハビリテーション医学などのみならず、遺伝学、再生医療学、臨床工学など多方面からの発表と問題点を共有しながら活発な討論がなされております。

本研究会の大きな特徴として、日本運動障害研究会機関誌を発行していることが挙げられます。本研究会ではこの会で発表された貴重な症例や研究報告を文字として残すことを重要と考えております。若い臨床家・研究家にとって発表のみならず論文を作成することは大切であり、Physician Scientistsの育成にもつながることになると思います。

本研究会で目指しているのは運動障害に関わる疾患や病態の診断・治療・社会復帰にいたるまでの広範囲な発展です。運動障害研究に関わるさまざまな診療科である神経内科学、リハビリテーション医学、整形外科、脳外科の医師に限らず、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護師やソーシャルワーカーなど多方面からの多くの皆様の積極的なご参加を期待します。

平成29年12月14日